孤独な雨

悲しみは雨のように降り続く。桃水詩集。

街のノイズ

街のノイズにかき消されて

君の心の声は誰にも届かない

 

生存競争の暮らしの中で

人を蹴落とす勝者になりたくないと

いつでも君は涙を流している

 

ときどき君は 生きてることが辛いと言うね

 

大切なのは愛 わかっていても

功利的な人の群れでは 見つけられない

君はため息をつき 身体を震わせている

 

やまない雨はないと 今日も誰かが口にする

哀しみは雨とは違うだろう

だけど 嘘でも生きる力になるのなら

君を騙す言葉も 信じて欲しい

 

 

街のノイズにかき消されて

君の真実の声は誰にも届かない

 

生まれた時から 生存競争の社会に

なすすべなく 組み込まれてしまうと

いまでは君も 無口になってしまった

 

ときどき君は 生まれてきたくなかったというね

 

大切なのは自由 わかっていても

否定するもの受け入れなければ 生きていけない現実に

君は希望を失い 心を閉ざした

 

明けない夜はないと 今日も誰かが口にする

絶望は 夜明けのようには明けないだろう

だけど 嘘でも生きていく力になるのなら

君を騙す言葉も 信じて欲しい

 

孤独に撃たれた君に 僕は手を差し伸べるよ

この手が噓くさく見えるなら はたいてくれて構わない

それでも僕は なんどでも なんどでも

君に手を差し伸べるよ

 

そう 君は僕なんだ……