咲かずに枯れた花

花泥棒に踏み荒らされて、咲かずに枯れた花の残骸的詩集。

走れメロス

私はこれ程努力したのだ

約束を破る心は 微塵もなかった

私は精一杯 努めてきたのだ

動けなくなるまで 走って来たのだ

愛と信実の血液だけで動いている

この心臓を見せてあげたい

けれども私は 精も根も尽きたのだ

私は友を欺いた

 

中途で倒れるのは

初めから何もしないのと同じだ

友よ 許してくれ

君はいつでも 私を信じた

私たちは本当に 佳い友と友であったのだ

いまだって 君は私を待っているだろう

ああ 待っているだろう

よくも私を信じてくれた

それを思えばたまらない

私は負けたのだ 

 

お前を待っている人があるのだ

お前は信じられている

お前は信頼に報いなければならない

今はその一事だ 走れ!メロス!

 

すると 岩の裂け目から滾々と

何か小さく囁きながら

清水が湧き出ているのである

水を両手で掬って 一口飲んだ

ほうと長い溜息が出て 

夢から覚めたような気がした

 

歩ける 行こう

わずかながら希望が生まれた

日没までには まだ間がある

先刻の悪魔の囁き あれは夢だ

悪い夢だ 忘れてしまえ

ああ 日が沈む 待ってくれ

友のために私は今 こんなに走っているのだ

おくれてはならぬ 

愛と誠の力を 今こそ知らせてやるのだ

 

私を待っている人があるのだ

私は信じられている

私は 信頼に報いなければならぬ

今は その一事だ 走れ!走れ!メロス!

 

待て その人を殺してはならぬ

メロスが帰って来た 約束のとおり

いま 帰って来た

殺されるのは私だ メロスだ

彼を人質にした私は ここにいる

 

セリヌンティウス

私を殴れ 力いっぱいに頬を殴れ

途中で一度 悪い夢を見た

君がもし 私を殴ってくれなかったら

私は君と抱擁する資格さえないのだ 殴れ

 

ありがとう 友よ

 

※この詩は太宰治先生の原作・言葉をほぼそのまま使い、

 編集したものです。編詩 桃水 というところでしょうか。

 

僕たちのテトラグラマトン

明かりを消した部屋 独りベッドで寝がえり繰り返す

眠れない夜は 思い出たちが僕を責め立てる

 

君を失くした あの時の僕を 今でも悔やんでいます

二人を引き寄せたのが優しさなら

二人を引き離したのも優しさだった

お互いのこと思い過ぎて 僕じゃ足りない気がしてた

「失いたくない」と どうしてあの時

素直に言わなかったのだろう

 

あれからの僕は まるで駄目さ

身体を壊すほど きつい仕事だったり

不本意な 突然の雇止めも経験した

こうして生きているのが不思議なぐらい

幸運だったことといえば

上手くいかない人生になれたことかな

願いが叶うなら もう一度君に逢いたい

 

LDBP LDBP 涙溢れる LDBP

LDBP LDBP 僕たちのテトラグラマトン

 

君が僕のもとを去ってから 随分時が経つのに

いまだに君がそばにいる 錯覚をしてしまう

君が教えてくれた おまじない“LDBP”

つらい時に つぶやいてみてと

LOVE DREAM BELIEVE 

そして PUREの 頭文字 

僕たちの聖四文字 テトラグラマトン

 

苦しみで眠れぬ夜は 君を思いだし

僕たちのテトラグラマトンをつぶやいてみる

 

LDBP LDBP 涙を拭いて LDBP

LDBP LDBP 君を感じる LDBP

 

LDBP LDBP 希望をともす LDBP

LDBP LDBP 闇夜を照らす LDBP

 

LDBP LDBP 寄り添う言葉 LDBP

LDBP LDBP 笑顔になれる LDBP

 

LDBP LDBP 心に残る LDBP

LDBP LDBP 君を感じる LDBP

 

LDBP LDBP 遠く離れた LDBP

LDBP 独りぼっちのテトラグラマトン

 

いま 君に逢いたい

もう一度 君に逢いたい…

 

カタルシス

黒く 分厚い雲が 太陽を隠している

誰もが気づきながら 知らん顔して この街を歩いていく

見て見ぬふりして生きるのが この街のルール

まともなこと口にすれば 一斉に叩かれる

 

愚かすぎて 笑えやしない 

若者さえ 無表情で 交差点をすれ違う

 

冷たい人の息が 青空を濁らせる

偽りの微笑みが 僕の心を凍らせる

なぜ人は 悪が勝ち 正義が負ける仕組みを作ったのだろう

魅力を感じない この街の勝利者たち

 

ビル風が 汚い埃をまき散らし

目も開けていられない コンクリートの街並み

 

諦めないのは 心の弱さ

諦める方が 勇気がいるものさ

 

下へ 下へ 階段を下りていく

暗闇でこそ 本当の光は輝く

 

世に捨てられて 辿り着いた世界は

雑音のない 孤独の楽園

真実でないものは 淘汰される

人の作った世界と 真逆のルール

 

ここあるものが 価値あるものを教えてくれる

人に捨てられた僕は 正しく生きている証拠

 

悪党が作ったルールに 打ちのめされても

悲観することはない それが間違いだから

欲望むき出しの 人の群れを横目に

優しさや思いやりで 貧しく生きてやる

 

今 光は 優しく僕を照らしている 

過去や未来のために 今を犠牲にしない

 

諦めなければ 見えない世界がある

そして初めて 新たな一歩が踏み出せる

 

上へ 上へ 心を高く昇らせて

僕の意志で 今生まれ変わる

 

 

エリ エリ レマ サバクタニ

望んでもいないのに この世に生を受けて

生きていくための 苦行の重荷を背負わせられる

社畜になるための 教育を詰め込まれ

よりよい条件 手に入れるため

生存競争を繰り返す

 

不安定な自分が渦巻くこの街で

人を思いやる余裕の有る奴なんかいるものか

冷酷にならなければ

自分の存在する場所さえなくなるよ

 

孤独しかない部屋で考える 明日の冷たい戦略

ため息つきながら あなたの言葉思い出す

自分を愛するようにあなたの隣人を愛せよ

愛すれば世界は何かかわりますか

 

思いやりのない街角で

自分のことしか考えない人の群れ

愛することはいつでも一方通行

ときにそれは 恐怖を与えてしまう

 

愛することに 正しさがあるのなら

そのやり方を 教えて欲しい

僕の愛は すべての人に

拒絶される 悲しみの繰り返し

 

孤独しかない部屋で考える 群れからあふれる僕の存在

ため息つきながら あなたの言葉を思い出す

自分を愛するようにあなたの隣人を愛せよ

愛すれど 誰にも受け入れられず それでも?

 

心の貧しい人々は 幸いである

悲しむ人々は 幸いである

義に飢え渇く人々は 幸いである

憐れみ深い人々は 幸いである

心の清い人々は 幸いである

平和を実現する人々は 幸いである

 

エリ エリ レマ サバクタニ

エリ エリ レマ サバクタニ

なぜ僕を 捨てたのですか…

愛は僕を孤独にした

 

悪魔のテリトリー

悪が蔓延り 善が廃れた この世界では

正しい者が不幸に陥る

もう少し楽になりたいと願えば

悪魔が近づいて来る

 

不純な欲望は 悪魔のテリトリー

神に祈っても無駄なこと

 

神の教えを破れば楽になれるよ

あの有名人のように 欲望のおもむくまま

自由に生きてごらんと 悪魔が囁く

 

悪は勝ち 善は負けるのが この世の理

悪は生きて 恥をさらし

善は死んで 人の心に光をともす

 

人は恥を正当化させるために必死になるが

無駄なこと 誰の心にも響かない

悪魔のつけは 生きているうちに

きっちり回収される

 

悪が蔓延り 善が廃れた この世界では

正しい者が 貧困に陥る

お金が欲しいと願えば

悪魔が近づいて来る

 

お金は悪魔のテリトリー

神に祈っても無駄なこと

 

神の教えを破れば金持ちになれるよ

あの経営者のように 情けを捨てて

計算通りに 生きてごらんと 悪魔が囁く

 

悪は勝ち 善は負けるのがこの世の習い

悪は生きて 節度を知らず

善は死んで 人の心に優しさ戻す

 

悪に落ちれば この世を謳歌するように見えるが

それはまやかし ドラッグのように骨までむしばむ

悪魔のつけは 生きているうちに

きっちり回収される

 

神は望んでいる 人が目覚めることを

悪魔の誘いに 負けない心を持つことを

損得勘定

長い悪党の政治で

外国文化に毒されて

日本の美徳は地に落ちて

醜い国へと化してしまった

 

欲望のままに 冷たく 

損か得かで 社会が動く

機械のような生き方

そこに人の生きがいは

生まれないぜ 

 

損得勘定 損得勘定

政党選びも 損得勘定

 

損得勘定 損得勘定

法律作りも 損得勘定

 

損得勘定 損得勘定

国も企業も 損得勘定

 

損得勘定 損得勘定

正義も悪も 損得勘定

 

損得勘定 損得勘定

アメリカ追従 損得勘定

 

損得勘定 損得勘定

戦争するのも 損得勘定

 

損得勘定 損得勘定

環境保全も 損得勘定

 

損得勘定 損得勘定

SDGsも 損得勘定

 

損得勘定 損得勘定

みんな損得に 泣かされる

 

損か得かの卑しさも 

分からないまま大人になって

子供にそのまま押し付けて

冷たい人間を作る

 

他人と自分を比べて

他人より少し得をしたい

格差社会の問題も

人がそれを望んでいる

 

損得勘定 損得勘定

優しい言葉も 損得勘定

 

損得勘定 損得勘定

人生プランも 損得勘定

 

損得勘定 損得勘定

進学するのも 損得勘定

 

損得勘定 損得勘定

仕事選びも 損得勘定

 

損得勘定 損得勘定

恋人選びも 損得勘定

 

損得勘定 損得勘定

友達選びも 損得勘定

 

損得勘定 損得勘定

結婚相手も 損得勘定

 

損得勘定 損得勘定

子作りさえも損得勘定

 

損得勘定 損得勘定

個性を消すのも 損得勘定

 

真実なんて どうでもよくて

損か得かで 態度を変える

それが人間の本性さ

みんな 完全にイカれてる

 

損得勘定 損得勘定

どいつもこいつも 損得勘定

 

損得勘定 損得勘定

判断基準は 損得勘定

 

損得勘定 損得勘定

寄付することさえ 損得勘定

 

損得勘定 損得勘定

社会保障も 損得勘定

 

損得勘定 損得勘定

スポーツ選手も 損得勘定

 

損得勘定 損得勘定

宇宙へ行くのも 損得勘定

 

損得勘定 損得勘定

未来の夢も 損得勘定

 

損得勘定 損得勘定

年寄いじめも 損得勘定

 

損得勘定 損得勘定

みんな損得で 捨てられる

adversity

黄昏の街に 疲れた人たちは

明日の夢さえ 見ることができない

何をやっても上手くいかず

無能な僕に どうして生きろというの

 

世間を上手にわたる人たちを怨む 

負け犬のような僕の遠吠えも

誰かに届くというのなら

僕は吠え続ける

 

世界が僕を見捨てても 信じられる人一人いれば

僕は生きて行けるだろう

 

世間を見渡せば 偉い人が

悪事や不正を繰り返している

悪人は馬脚を現し

善人は日の目を見ることはない 現代社

 

正義を語れば 世界中の

不運と不幸が降りかかってくる

だけど 不正をしなければ パンを得られないなら

この世を恨んで 僕は死を選ぶ

 

燃やすぜ ソウル

踊るぜ ハート

動くぜ ムーブ

捨てるぜ クール

突き抜けろ 自分 逆境をのり越えろ

 

世界が僕を見捨てても 僕は正義を裏切らない

信じる道を歩いて行こう

 

生まれながらに特技の鎧 着せてもらえる

スマート気取りの エリートに

何も持たずに 挑んでやるさ

勝算なんて 微塵もない

 

大切なのは 負けないことではなくて

全戦全敗 負け続けても 挫けないことなんだ

世界のどこかに 同じ気持ちの旅人が

きっといると信じている

 

燃やすぜ ソウル

踊るぜ ハート

動くぜ ムーブ

捨てるぜ クール

ぶち壊せ 普通 ぶち壊せ 逆境

 

世界が僕を見捨てても 譲れないものがある

いつか出会える親友のため 汚れた世間に服従しない