孤独な雨

悲しみは雨のように降り続く。桃水詩集。

2024-02-01から1ヶ月間の記事一覧

走れメロス

私はこれ程努力したのだ 約束を破る心は 微塵もなかった 私は精一杯 努めてきたのだ 動けなくなるまで 走って来たのだ 愛と信実の血液だけで動いている この心臓を見せてあげたい けれども私は 精も根も尽きたのだ 私は友を欺いた 中途で倒れるのは 初めから…

僕たちのテトラグラマトン

明かりを消した部屋 独りベッドで寝がえり繰り返す 眠れない夜は 思い出たちが僕を責め立てる 君を失くした あの時の僕を 今でも悔やんでいます 二人を引き寄せたのが優しさなら 二人を引き離したのも優しさだった お互いのこと思い過ぎて 僕じゃ足りない気…

カタルシス

黒く 分厚い雲が 太陽を隠している 誰もが気づきながら 知らん顔して この街を歩いていく 見て見ぬふりして生きるのが この街のルール まともなこと口にすれば 一斉に叩かれる 愚かすぎて 笑えやしない 若者さえ 無表情で 交差点をすれ違う 冷たい人の息が …

エリ エリ レマ サバクタニ

望んでもいないのに この世に生を受けて 生きていくための 苦行の重荷を背負わせられる 社畜になるための 教育を詰め込まれ よりよい条件 手に入れるため 生存競争を繰り返す 不安定な自分が渦巻くこの街で 人を思いやる余裕の有る奴なんかいるものか 冷酷に…