孤独な雨

悲しみは雨のように降り続く。桃水詩集。

カタルシス

黒く 分厚い雲が 太陽を隠している

誰もが気づきながら 知らん顔して この街を歩いていく

見て見ぬふりして生きるのが この街のルール

まともなこと口にすれば 一斉に叩かれる

 

愚かすぎて 笑えやしない 

若者さえ 無表情で 交差点をすれ違う

 

冷たい人の息が 青空を濁らせる

偽りの微笑みが 僕の心を凍らせる

なぜ人は 悪が勝ち 正義が負ける仕組みを作ったのだろう

魅力を感じない この街の勝利者たち

 

ビル風が 汚い埃をまき散らし

目も開けていられない コンクリートの街並み

 

諦めないのは 心の弱さ

諦める方が 勇気がいるものさ

 

下へ 下へ 階段を下りていく

暗闇でこそ 本当の光は輝く

 

世に捨てられて 辿り着いた世界は

雑音のない 孤独の楽園

真実でないものは 淘汰される

人の作った世界と 真逆のルール

 

ここあるものが 価値あるものを教えてくれる

人に捨てられた僕は 正しく生きている証拠

 

悪党が作ったルールに 打ちのめされても

悲観することはない それが間違いだから

欲望むき出しの 人の群れを横目に

優しさや思いやりで 貧しく生きてやる

 

今 光は 優しく僕を照らしている 

過去や未来のために 今を犠牲にしない

 

諦めなければ 見えない世界がある

そして初めて 新たな一歩が踏み出せる

 

上へ 上へ 心を高く昇らせて

僕の意志で 今生まれ変わる